金沢で加賀の伝統芸能(加賀万歳と山中温泉芸妓)を堪能!
4月2日(土)、3日(日)に金沢市で開催されたイベント「百万石まちなかめぐり さくら2022」に訪れ、加賀の伝統芸能(加賀万歳と山中温泉芸妓)を堪能した。
金沢は歴史のある、文化・芸術の街。
石川県在住者として、このようなイベントを通して古くから伝わる伝統芸能に触れ、親しんでいくことを「定年退職後のセカンドライフ」の楽しみの一つに加えようと思っている。
「加賀万歳」
前田利家が越中の府中(現在の越前市)を治めていたころ、領民が年頭祝賀に舞った「越前万歳」が、利家の金沢入城後に金沢城下で舞われたのがルーツとのこと。
ツッコミ役の武士「太夫(たゆう)」とボケ役の家来「才蔵(さいぞう)」が、前田氏の梅鉢紋の刺繍が入った真っ赤な大黒頭巾(カマス帽子)や、金色の扇子、独特の衣装を身に着け、金沢の名所めぐりを唄ったり、東京から金沢に到着するまでの北陸新幹線の車中からの眺めを唄ったような現代に即した演目を演じていた。テンポのよい、ユーモラスな「舞い」と「唄い」の掛け合いは、とても楽しく堪能できた。
世界大百科事典によれば、民俗芸能の「万歳」は、平安・鎌倉時代から存在した「千秋万歳(せんずまんざい)」が起源。
「加賀万歳」以外にも全国各地で伝承されているが、一部の地域では伝承者が絶えて廃絶しているとのこと(【万歳】、世界大百科事典)。
「加賀万歳保存会」も現在10名足らずと会員数が少なく、新規会員を募集していた。このような伝統芸能は、ぜひ継承して歴史をつなげていただきたいと願う。
「山中温泉芸奴」
「山中温泉芸妓」は加賀市指定無形民俗文化財「山中節」の伝承者。
山中節は江戸時代、日本海を往来した北前船の船頭が歌った松前追分(おいわけ)や江差(えさし)追分を、浴衣を預かる浴衣べが聞いて山中なまりで真似たのが起源とされる。
本イベントでは、山中温泉芸妓による三味線と唄に合わせ、艶やかな舞が披露された。
山中温泉では、旅館協同組合が「山中座」を運営していて、収容人数180名の劇場「山中座ホール」では、山中節の歌と踊りが愉しめるとのこと「山中座のサイト」。
山中温泉芸妓は、旅館などの座敷のほか、伝統芸能を活用した舞台やイベントに出演して、山中温泉の観光振興と地域活性化の貢献につとめている。
今は新型コロナパンデミックで、観光客が減っているとのことであったが、機会があれば、ぜひ「山中座ホール」を訪れ、伝統芸能を愉しみたい。